『病牀六尺』(法話)
2024/06/14
暑い季節になりました。まだ6月というのに、この暑さでは、7月、8月と先が思いやられます。
かの有名な正岡子規さんは、亡くなられる3ヶ月間は、この暑い夏に闘病生活を送られました。
その闘病記録でもある著者『病牀六尺』に、「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ねることかと思っていたのは間違ひで、悟りといふことは如何なる場合にも平気で生きて居る事であつた」と記されています。
お念仏をお称えする者は、いつ最後の時を迎えても、必ず阿弥陀さまが極楽浄土に救いとってくださいますので、本来でしたら何も心配する必要はないのですが、それでも私たちはやはり煩悩を携える「凡夫」ですから、死は怖いものです。
しかし、私たちは死は避けられませんが、その瞬間「怖い」「苦しい」といった思いはしなくて済むのです。何故なら、阿弥陀さま迎えに来てくださる時に、そのような苦の感情を全て取り除き、平生のお心の状態にしてくださるからなのです。
私たちが悟りを開くことは中々難しいことですが、お念仏と共に生活をすれば、如何なる場合でも平気に生活できることでしょう。合掌🙏
華頂寺住職 千々和光俊 拝