おくやみコーナー(法話)
2023/07/14
最近お父様を亡くされたお檀家様が「葬儀の準備も大変だったけど、その後の役所関係の手続きの方が担当部署がバラバラで訳がわからなくなり、疲れてしまいます。」と私にお話をされました。私も父である先代住職の葬儀の後、役所関係の手続きが難しく面倒で苦労した経験がありましたので、大変共感致しました。しかし、最近では全国の自治体で「おくやみコーナー」という取り組みが広がっているそうです。故人様の為に必要な手続きがこの「おくやみコーナー」という場所でまとめてできるらしいので、かなり便利になったのではないでしょうか。
鎌倉時代の仏教にも似たようなことが起こっています。法然上人が浄土宗を開かれる前の日本の仏教は様々な厳しく難解な修行を経てこそ、やっと救われていくという考えが一般的でしたが、「南無阿弥陀佛とお称えするだけでいいのです。」と法然上人が教えを示されて以来、従来の考え方が一変し、簡単でだれでも出来る修行が優れているお念仏が私たちに選ばれていきました。
そんな法然上人のお言葉に「念仏を申し候うことは、様々の義候えども、ただ六字を称うる中に、一切の行はおさまり候うなり。」とあります。これは「お念仏には多くの意味があるが、この六字の南無阿弥陀佛のお念仏の中には全ての行の功徳が納まっています。」という意味です。修行の数は多くどれも厳しい修行ですが、お念仏のこの六字に全て収まっているのです。
どうぞ皆様、簡単でかつ全ての功徳を得ることの出来るお念仏を申して、共に阿弥陀様のお浄土へ救われていきましょう。合掌🙏
華頂寺住職 千々和光俊 拝