アンパンマンのジュース(法話)

2022/08/15

皆さんお盆はどのようにお過ごしになられたでしょうか？今日でいよいよお盆も最終日です。最近ではまたコロナが猛威を振るい始めましたので、このお盆休みの予定を変更せざるおえない方も多かったのではないでしょうか？それでも皆さまのことですから、きっとその中で楽しみを見つけられて充実したお盆休みをお過ごしになられたことと思います。
私の最近の楽しみは甥っ子の成長を見守ることでございます。先日のことです。私と姉と甥っ子の3人で買い物に行きました。そこで私は甥っ子にジュースを買ってあげることに致しました。どのジュースがいいか尋ねてみますと、甥っ子は1パックで3個入りのアンパンマンのぶどう味のジュースを選びました。私はその時賢くなったと関心しました。私が3個入りのジュースを買うことによって、甥っ子は3日分ジュースを確保出来るわけですから、知恵を働かせたのだとその時は思いました。
しかし、家に帰りますと甥っ子が3個あるうちの残り2個のジュースを私と姉にくれたのです。この行動にさっきまでの考えをしていた自分が恥ずかしくなりました。甥っ子は初めから3日分確保するのではなく、私と姉に分け与える為にあえて3個入りのジュースを選んだのでした。施す心を持って優しくも育っている甥っ子に感動致しました。
このお盆の施すことがそもそもの始まりでした。自身の母親が餓鬼道に堕ちていることを知った目連尊者が、夏の修行を終えた僧侶に食べ物や飲み物を施し、その功徳によって母親を餓鬼道から救ったことが由来となっています。それが日本古来の先祖崇拝の信仰と結びつき、ご先祖が帰って来るのをお迎えする現在のお盆のかたちとなりました。
私はこの施す心を持つことが供養をするという心の原点に思えてなりません。
皆さまもこのお盆を機に、施す心そして供養する心を養い今後の私たちの人生の糧としてみてはいかがでしょうか？　合掌
華頂寺住職　千々和光俊