善知識(法話)
2022/05/05
ゴールデンウィーク真っ最中ですが、本日は5月5日こどもの日です。こどもの日とは子供の健やかな成長をお祝いする日ですが、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか?
私は未婚で子供もおりませんが、姉の息子にあたる2歳の甥っ子がいます。毎日会えるわけではないのですが、時々姉がお寺に連れてきてくれます。お寺の大きさに甥っ子も大はしゃぎで、遊びに来てくれる度に境内を走り回っています。
先日も遊びに来てくれた時のことです。甥っ子がお内仏(庫裡などの本堂以外の場所に本尊を祀るお仏壇)に手を合わせて「なむ!なむ!」と言っていました。その姿を見て私は驚きました。そろそろ仏様に手を合わせることを教えてもいいかなと思っていただけで、まだ何も教えていなかったからです。私がお参りする姿を見て真似したのだと思いますが、それからお寺に来る度に手を合わせてくれるようになりました。
どうやら甥っ子既にはお内仏にお祀りする仏様やご位牌を見て、仏様とご位牌には手を合わせるものだと認識しているようです。甥っ子が手を合わせる姿を見て、もちろん嬉しいのですが、なにより甥っ子を阿弥陀様の元に導いてくれている両親やご先祖様に本当に感謝を致しました。極楽浄土に往生されてからもお世話になりっぱなしやなと頭が上がりませんでした。
仏教では仏道に導いてくださる尊い方のことを「善知識」と申しますが、まさにお内仏の両親やご先祖様は尊い「善知識」だったわけです。
ゴールデンウィークも残り少なくなってきてまいりましたが、この連休で帰省されたお子様やご家族の方に対して、ご先祖様に「善知識」を一役買ってもらい、手を合わせ「南無阿弥陀佛」とお念仏をお称えする、そんないい機会にされてもいいのではないでしょうか。どうか皆様が阿弥陀様に見守られて楽しいゴールデンウィークをお過ごしになられることをお祈りして今月のお話とさせていただきたいと思います。 合掌
華頂寺住職 千々和光俊