沈みゆく夕日に想いを馳せて(法話)
2024/03/03
最近新聞に花粉症川柳というのが掲載されておりました。そこには「雪解けと同時に積もる紙の山」と記されており、思わず笑ってしまいました。早くこの寒さよ終われと思うと同時に、花粉のシーズンも終わってほしいと思う、なんとも欲張りな感情を抱いている今日この頃です。
華頂寺では今月17日、彼岸に入りに法要を勤めさせていただきますが、20日がお彼岸のお中日になります。春分の日と呼ばれる日でもあり、その日は太陽が真東から昇り、真西に沈みます。古来よりこの時期に、西に沈む夕日をながめ、西方の彼方にある極楽浄土に想いを馳せ、阿弥陀様への信仰を深める「日想観」という観想の方法が修せられてきました。
「日想観」とは『観無量寿経』に説かれる、十三の観想の方法の中で1番最初に説かれる方法のことで、「姿勢を正して西に向かい、沈みゆく夕日にしっかりと想いを馳せ、その太陽の姿が眼を開いている時も閉じている時も、はっきりと残るように眺めなさい」という観想です。
どうぞ皆様、今年の春のお彼岸もきっと暖かいものとなるでしょうから、しっかりと沈みゆく夕日を通し、極楽浄土に想いを寄せて、お念仏を申していきたいものです。合掌🙏
華頂寺住職 千々和光俊 拝