浄土宗開宗八百五十年(法話)
2024/04/05
室生犀星さんの小説『津の国人』に次のような一文がございます。「人は決して倖せを避けて通る者ではない、花を見ないで道を通ることはできない」…
浄土宗をお開きになった法然上人も、迷い苦しむ私たちを見て見ぬふりなど決してできず、誰もが救われていく教え、お念仏の"み教え"を伝え広めることに一生を捧げられた偉大なお上人でした。
華頂寺ではそんな法然上人をたたえ、4月14日(日)に浄土宗開宗八五〇年の慶讚法要を厳修致します。
そんな法要の中では、『開宗和讃』のお称えがございます。
承安5年の春弥生
祖師は御年四十三
弥陀の救いの手をのべて
開き給いし浄土門
摂取不捨の"み光"を
仰ぎて八百五十年
この喜びをことほぎを
思いあらたに報謝せん
この歌詞にありますように、法然上人がお念仏の教えを示されたのが、1175年の春と伝えられております。それから八百五十年という時が過ぎた今でも、世界では悲しい紛争や事件が絶えません。そのような救いを必要とする人々のためにも、法要を勤めてまいります。
私たちが「南無阿弥陀佛」と称え、そして広めていくことこそ、法然上人への最上の御恩報謝になるのです。
どうぞ次は私たちが、法然上人の思いを受け継ぎ、お念仏の教えを伝え広めていくのだと、改めて志していただくためにも、共にお念仏をお称えいただけたらと思います。合掌🙏
華頂寺住職 千々和光俊 拝