除夜の鐘(法話)
2024/12/02
12月に入り、いよいよ今年も残すところひと月となりました。12月は「師走」(しわす)と呼ばれるように、お坊さんが走り回るくらい忙しいとされます。その理由の一つが、大晦日の「除夜の鐘」でございます。この「除夜の鐘」は「除夜会」と呼ばれる法要で行われる仏教行事で、旧年を除き新年を迎える大事な夜のことです。
では、何故そんな特別な夜に鐘をわざわざ撞くのでしょうか?そのヒントは鐘を撞く回数にございます。仏教では、煩悩の数は108種類存在するとされており、これらの煩悩を鐘を1回1回丁寧に撞き、108回撞くことで、鐘の音により全ての煩悩を除き、「新年を清らかな気持ちで迎えられますように」、という願いが込められ鐘を撞くことが、理由に上げられます。
しかし、私人間の煩悩というのは果てしなく、鐘を撞いても、また数分経てば再び煩悩にまみれてしまいます。仏教ではそんな私たちのことを「凡夫」と呼び、悪人と見なされてしまいます。
ですが、宗祖・法然上人は「そんな私たちでもお念仏さえ称えれば、阿弥陀さまが必ず救ってくださるから大丈夫である」とお示しくださり、浄土宗を開宗してくださいました。
そんな法然上人の浄土立宗の御詞に
「我、浄土宗を立つる心は、凡夫の報土に生まるることを、示さむためなり。」
(私が浄土宗を立てたのは、たとえ煩悩を払い去ることの出来ない凡夫であっても、阿弥陀さまの待つ極楽浄土に生まれ変わることができると示すためです。)
とごさいます。
法然上人はそんな私たちを救わんとする為に、浄土宗を立ててくださったのです。
本年は浄土宗開宗850年の節目に当たる年でしたが、その有り難き年ももうすぐ過ぎてしまいます。
ですので、より一層大晦日には鐘の音を聞きながら自身の煩悩と向き合い、来年からも阿弥陀様にお導きいただくことを思い新たにして、新しい年を迎える1日にしていただけたらと思います。合掌🙏
華頂寺住職 千々和光俊 拝